cuckoo

見たもの(主に本と漫画と映画)の記録とふわっとした感想。文体迷子。

【本】文壇アイドル論/斎藤美奈子

文壇アイドル論

文壇アイドル論

図書館本。買いたかったけどもう売ってなかった。
なぜこれが今では流通していないのか、不思議。と、読み始めたときは思ったのだけど、でもやっぱり、賞味期限切れなんでしょうね。ここに出てくる人たちは、みな大御所ではあるものの、今も名を轟かせている人というのは村上春樹以外いないので。アイドルだから、しゃーないのかもしれないが。私にとってはスター(もう雲の上の人、最初からすごいというイメージしかない人、という意味で)でしたが。
ということで、この本を通してスターになる前の作家たちが、スターダムにのし上がる様子を見ることができ、驚きやら、感心やら、でした。吉本ばななや、林真理子や、上野千鶴子が最初からすごい人だったわけではない(何かしらの偶然や演出などにより「大御所」になっていった)なんて、言われてみれば、当たり前のことなのに。そして、リアルタイムのイメージというものはやはり、たいへん強固に刷り込まれてしまうものなのだな、ということを感じました。
 
以下3/2追加分。
読みながらメモってたことを、ほぼそのまま転記(箇条書き部分)。それだけじゃ自分でもわかんないから少し補足もしておく。

  • 日本的抒情によって塗られたアメリカふうの小説

村上春樹について丸谷才一が言っていた言葉らしい。春樹読んでアメリカぽいーというのは読んで、なんとなく(なぜそう思ったのかはわからないが)自分でも思ったのだけど、そこに日本のじめっと感が入っていたとは。

  • ドライさとウェットさの共存

そして村上春樹の読後感と似たようなものは吉本ばななにも言える。俵万智にも言える。ようです。ドライさは時にポップさ(俵万智)だったり、あっさり?さばさば?(ばななさんの空気感が表現できず)だったりするのだけども、湿っぽさ(それがイコール日本的と言い切れるかわからんが)が裏にあるということは大いに納得させられた。ただのカラッと感じゃないものを、これらの人には感じさせられていたから。

  • 知らないことばっかりの文学のジョーシキ

あとがきが昔はなかったらしい。というのに驚いた。びっくりよ。ほかにもいくつかあったけど忘れたよ。「ばなな」って名前の付け方も昔は、すごい驚かれたらしいよ。

  • 新しい革袋に入った古い酒。表層をおおうポップなことばづかいと、その裏にひそむ演歌的な抒情性。

これたぶん引用。俵万智に関する話の。ドライさとウェットさの話につながりますね。

  • 文豪的な昔の人よりよっぽど権威がすりこまれている

思ったことでそのままの意味です。距離が近いからね、まだね。初めて見たときがスターだった人たちだから。文豪は死んじゃってますから。当時騒がれていなければ、ある程度距離を置いて接することができますが。

  • 80年代は現代の言文一致?

書かれてたことから派生したのか思ったことなのか、謎のメモ…。たぶんでも言われてたことな気もする。